動荷重係数による衝撃力評価法
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[1]ステップ荷重
 
ステップ状荷重の荷重関数はx > 0 のとき, f ( t )= 1 x < 0 のとき, f ( t )= 0 であり,前出のように
 
これらを図示すれば上図のようであり,DLFmax = 2である.

 

[2] ランプ状荷重

ランプ状荷重の荷重関数は
 
であるから
 
変数変換t = t1t , x = t1 y , dx = t1 dy とおいて
 
第1項の積分は
 
また,第2項の積分は,第1項の関数をt = 1ずらしたものとの畳み込みであるから*)
 
したがって,
 
そして,固有周期をT = 2p / w立ち上がり時間と固有周期との比をa = t1 / Tとおけば,w t1 = 2pa であるから
 

DLF及びその最大値とa との関係は上図のようになる.図を見れば立ち上がり時間が固有周期以上であれば,動荷重係数の最大値はほぼ1になる.すなわち,荷重の立ち上がりを緩やかにすれば,動的応力は静的応力に一致する.

 

[3] 矩形状荷重

矩形状荷重の荷重関数は
 
であるから
 
前問と同様t = t1t , x = t1 y , dx = t1 dy とおいて
 
さらに,T = 2p / w,そしてt1 = aT とおけば
 

DLF及びその最大値とa との関係は上図のようになる.図を見ればa 0.5 ,すなわち,持続時間が固有周期の1/2以上有ればDLFは2となり,ステップ荷重の場合と同じになる.

 

[4] 三角形状荷重

三角形状荷重の荷重関数は
 
であるから,
 
前と同様の変数変換を用いて
 
第1項の積分は前述のように2{t - sin( 2pat ) / 2pa }である.第2項は第1項の2倍をt = 0.5ずらしたもの,第2項は第1項をt =1ずらしたものであるから,DLFは次のようになる.
 

DLF及びその最大値とa との関係は上図のようであり,[2][3]の特徴を併せ持ったものとなる.

 

*)今,任意関数g( t ) f ( t ) との畳み込み積分を
  
と置く.そうすれば,g(t) と,f (t ) t1 ずらしたH( t - t1 )f ( t - t1 ) との畳み込み積分
  
は次のようになる.
H ( t ) はステップ関数であるから
  
のとき上式の被積分関数は0であり,有効な積分範囲は0 < y < t - t1 となる.したがって,
  
となるから,
  
である.すなわち「 f (t ) t1 ずらした関数との畳み込み積分はf ( t ) との畳み込み積分をt1 ずらしたものとなる.

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