図心の位置について
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平板を重心 G で紐で吊るしても回転しないから,平板の重心 G を通るy軸回りに重力が及ぼすモーメントは0である.
y軸から右側に z 離れた位置の微小面積部分の重量によるy軸回りモーメントは
ただし,g:重力加速度,t:板厚,r:密度
したがって右側全体では
同様に左側全体では
板が回転しないためには MR=ML でなければならないから
が成立する.AR,ALはそれぞれ,y軸から右側および左側の部分の面積である.
そして,y軸に垂直にz座標をとれば,z=z,h=−z であるから上式は次のようになる.
ここで,A= AR + AL は板の全面積であるから
すなわち,重心を通る軸(y軸)回りの面積モーメントは0である.
(Sは 面積×距離 となっているので,これを(y軸回りの)面積モーメントと呼ぶ.)
そして,この平板と同じ形の図形があるとき,この重心の位置に一致する点をその図形の図心と呼ぶ.
任意図形の図心の位置は,面積モーメントが0となる2本の軸の交点である.
なお,上式より対称軸が存在すれば,対称軸は図心を通ることは明らかである.