曲げモーメント
注意:元に戻るとき,ブラウザの戻るボタンを使わないように

断面に平行な軸回りに作用するモーメントを曲げモーメントと呼び,棒は曲げられる

図のように,一端を固定した棒の先端に横荷重Pを加える場合を考える.この棒を断面aで仮想切断すれば,z方向の力の釣合より,
 せん断力 F=P が発生する.

このFPと逆方向で距離x離れているから,モーメント(偶力)P xを生じさせ,このままでは棒は回転してしまう.したがって,仮想断面にはこれに対抗する為に
 モーメント M = P x が発生する.

このモーメントによって,断面はこれに平行な軸(y軸)の回りに回転し*1),棒は曲げられる.このように,仮想断面に平行な軸回りに作用するモーメントを曲げモーメントと呼ぶ.このモーメントを右ねじが進む方向のベクトル(回転の軸に平行)で表せば,図のように断面に平行なベクトルとなる.なお,普通は曲げモーメントとともにせん断力も発生する.

棒が曲げられる場合,図右のように,断面はy軸を回転軸として回転するので最初平行であった近接2断面は角度dq を持つ.そして,x-y面,すなわち,z = 0の面は半径 R の円筒面の一部となり,この面上におけるx方向の線素の長さは変化しない*2)M が図の方向の場合,x- y 面に平行な面上のx方向線素は,z0では伸び,z0では縮む

 

注1)図ではy軸についてのものだけ書いてあるが,一般にはz軸方向のものもある.

注2)正しくはx 方向の線素の長さが変化しない面がz = 0 となるようにy軸の位置を決める.x - y 面を中立面,y 軸を中立軸と呼ぶ.

 

戻 る