分布荷重をq(x)とするとき,せん断力及び,曲げモーメントは
ここで,
とqを逐次積分して得られる.
各問題の分布荷重は例題1により求めたので,これを用いて解を求めると以下のようになる.
解答(1)
であったから,これを式(1)に代入すれば
ここで,左端は自由端であるから,M0=0,また,右端回りのモーメントの釣合より
したがって,
,
x<aではHa=0であるから
,
x>aではHa=1であるから
検算)右端反力は
したがって,
となり,力の釣合は保たれている.
また,右端曲げモーメントは明らかに
となり,右端単純支持の条件を満たしている.
*)逆に,右端曲げモーメントが0ならば,x>aでのMの解は,(l-x)で因数分解できるはずであるから,これを念頭にして式を整理すればよい.
せん断力が0になるのは
の位置であり,この位置で曲げモーメントは最大値
となる.a=l/3のときは
このときのS.F.D.,B.M.D.を下図に示す.
解答(2)
右端回りのモーメントの釣合より,左端反力すなわちF0は
そして,M0=0,
また,この問題の分布荷重は例題1より
であったから,これらを式(1)に代入すれば
x<aではHa=0であるから
x>aではHa=1であるから
これは,(1)においてaをl-aと置き,左右反転させて解いた解と一致している.
せん断力が0になるのは
の位置であり,この位置で曲げモーメントは最大値
となる.a=2l/3のときは
このときのS.F.D.,B.M.D.を下図に示す.
解答(3)
全荷重図の図心の位置は左端から2a/3の位置にあるから,左端反力,したがって,F0は右端回りのモーメントの釣合より
そして,M0=0
また,この問題の分布荷重は例題1より
であったから,これらを式(1)に代入すれば
x<aではHa=0であるから
x>aではHa=1であるから
なお,x<aでの解より
そして,x=aの位置に集中荷重はなく,かつ,x>aの部分に横荷重はないから,x>aでのせん断力は一定値
そして,曲げモーメントは右端x=lで0となる,傾きがFの直線であるから
として,求めてもよい.
せん断力が0になるのは
の位置であり,この位置で曲げモーメントは最大値
となる.a=l/2のときは
このときのS.F.D.,B.M.D.を下図に示す.
解答(4)
例題1より,このはりの分布荷重は
であるが,右端反力RBを上向きの集中荷重,はりはx>l以後も続いていると考えれば
したがって,式(1)より
m0=0であるから
上式では,F0,RBが未知数のままである.そこで,x>lにおけるせん断力と,曲げモーメントに注目する.
実際には,x>lでは,はりは存在しないのであるから,力学的には
x>lでは,(せん断力)=0,(曲げモーメント)=0
である.したがって,これらの式で,Ha=1,Hl=1かつx=lとおいて,
とならねばならない.これらは,z方向の力の釣合と右端回りのモーメントの釣合式に他ならない.
これらの式より,
となる.したがって,せん断力および曲げモーメントは(x>lでの値は必要ないから)
x<aではHa=0であるから
x>aではHa=1であるから
注)x>aでの解はx<aでの解において,xをl-x,aをl-aとおき,せん断力の負号を反転したものになっている.
また,曲げモーメントの微分はせん断力になっている.
a<0.5lのとき,せん断力が0となるのは,
の位置であり,この位置で
となる.a= l/3のときは
このときのS.F.D.,B.M.D.を下図に示す.